弓を投げないで

弓を投げないで

二胡上達のヒント

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弓を投げないで

タイトルを見て、
「いやいや、弓を投げる人なんでいないでしょう」
と思った人は多いでしょう。

「弓を投げる」という表現は、二胡の世界では聞いたことありませんし、
使っている人もいないと思いますが、

わたしのヴァイオリンの先生が「弓を投げちゃだめ」というのを使っていて、
非常にわかりやすかったので、わたしも使っています。


さて、その「弓を投げる」という行為ですが、
どういうものかを説明しますと、、、

たとえば、上記のような楽譜があった場合、
ドよりもレの方が2倍の長さなので、、、

レの音を弾くときに、弓を長く使いたいので、
ドの弾き終わりの位置から、
弓を「ワープ」させて(弦から浮かして弓を移動する)
弓先から弾こうとするような行為です。

これを、わたしは「弓を投げる」と言っています。


弓を投げる気持ちはよくわかります。
そうしないと、レの音で弓が足りなくなるので。

しかし、弓を投げることによって、
ドの音が、本来の音符の長さよりも短くなってしまいます。


「弓を投げない」ためには、

ドの音を、1拍の長さ弾き終わったときに、弓が存在する、
その位置から、レの音が始まるということになります。

上の図の場合、
ドの弾き終わりから、レをスタートすると、
弓はやはり足りなくなってしまいますね。


それを回避する方法はいくつか考えられます。

1.ドの音を、弓中(弓の真ん中あたり)から弾きはじめる。

2.ドの音を弾くときに、弓のスピードを速くする。
  そのとき、アクセントにならないように、圧力も適度に抜く。


今回の説明は、簡単な例で説明しましたが、
回避するためには、いろんなパターンが考えられると思います。

弓を投げない。
投げないためには、

「前の音が終わった位置から、次の音の弓がスタートする」

ということになります。


ただし、この「弓を投げる」という動作を、意図的におこなうケースもあります。

スタッカートです。

(二胡で言うスタッカートには、2種類ありますが、
弦の圧力を抜くことによっておこなうタイプのスタッカートです)。

スタッカートについては、別の機会にお話ししたいと思います。