二胡上達のヒント
内弦と外弦の音程(完全五度)
二胡を弾くときは、チューニングをしますね。
多くの人はクロマチックチューナーを使ってチューニングしていると思います。
内弦をDに、外弦をAに合わせます。
もし、チューナーで、きっかりDとAに合わせたら。。。
内弦と外弦は、完全五度には「なりません」
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ここで、DとAの関係を、わかりやすくするために、
ドとソの関係と言い換えることにします(D調ではドとソなので)
完全五度は、周波数比が 1.5なので、
ドとソの周波数比は1.5にしないといけませんが、
クロマチックチューナーは、「平均律」でのチューニングをおこなうため、
ドとソの周波数比は、1.4983 になってしまいます。
外弦が少し低いのです。
では、完全五度にするには、どうすればいいかというと。。。
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。。。その前に、セントという単位について説明します。
1オクターブの間(たとえば、ドとドの間)には、
半音12コ分の間隔があります。
平均律で、半音1つ分を、100セントという単位で置き換えて取り扱います。
1オクターブは、1200セントになります。
クロマチックチューナーの表示には、
目盛りが打ってあって、単位がセントであるということが書いてあります。
目盛りが右にふれたら、「○○セント音が高い」ということになります。
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さて。
チューニングを完全五度に合わせる方法です。
平均律で、ドとソの周波数の比は 1.4983。
どうすれば完全五度 (1.5000) になるかというと、、、
計算は省略して、結論を言うと、
ソの音を、+2セントに合わせると、完全五度になります。
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平均律の五度と、純正律の五度には、約2セントの誤差があります。
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補足:
計算方法
平均律の、ドからみたソのセント値は
log2(1.4983) * 1200 = 700.00
純正律の、ドからみたソのセント値は
log2(1.5) * 1200 = 701.96
外弦を純正律のソに合わせるためには、
1.96セント(≒ 2セント) 高く合わせる必要があります。