二胡上達のヒント
手首の効用
二胡の運弓において、手首をうまく使うように、という指導があると思います。
では具体的にどうすれば「うまく使う」ということになるでしょうか。
(1)弓を反転させるときに、音がなるべく切れないようにする。
(2)1のときに、アクセントにならず、なめらかに音がつながる。
(3)反転の前後で、音が小さくならないようにする。
というようなことになると考えます。
もっと単純にいうならば、弓が反転したことがなるべく音にあらわれないように、反転する。
ということであると思います。
それを実現するためには、
○手首の返し始めから、返し終わりまでの時間を、なるべくゼロに近づける。
○手首の動く角度は、なるべく小さくする。
ということになります。
車で言えば、
「時速40kmで進んでいたものが、減速なしで、時速40kmでバックを始める」
というような状況なので、動作としては、衝撃的な動作であると言えます。
衝撃的な動作を「なめらかに」おこなうことが必要なのです。
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よく、手首やひじをグニャグニャ?と動かしている人を見かけますが、
「弓の反転をなめらかにおこなう」ということを、
「なめらかに手首を使う」ということと混同しているのではないでしょうか。
このような方法では、例えば、ダウンボウ→アップボウの反転の場合、
弓を持つ手が右に進んでいるのに(A)、
手首やひじが左に進む(B)タイミングがあり、
AとBの動きが相殺され、弓が止まって(または減速して)しまいます。
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もうひとつ、手首の使い方のヒントです。
手首を動かす時間は、なるべくゼロに近づけるということは前に書きましたが、
では、その力のかけ方はどうすれば良いでしょうか。
手首の動きは、前腕の筋肉で動かすのがふつうですが、
二胡の手首の動きは、「慣性力」をうまく利用するのが良いと思います。
これは言葉で説明するのは難しいので、
前腕の筋肉を使ってしまっているなと感じたら、間違っていると思って良いと思います。
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いずれにしても、二胡の右手はとても難しいので、
とくに独学派の人は、よりよい運弓を目指して、いろいろ試してみてください。
良くなったものを一度くずすのは、とても勇気が必要ですが、
いちどくずすことをしなければ、その先に到達できないことも多いです。